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ミノキシジルの作用

ミノキシジルの作用

AGAを改善するために使用するミノキシジル、実はこのミノキシジルがどのような仕組みでAGAを改善するのか、という作用に関する部分は詳細に解明されてはいません。

しかし研究の結果「恐らくこういった働きによってAGAが改善されているのだろう」という仮説が立てられています。ここではミノキシジルのAGA改善作用の仮説について、紹介をしていきます。

細胞成長因子の誘導

最初に紹介するのは「細胞成長因子の誘導」という仮説です。これはミノキシジルが髪の成長に関係する、成長因子という物の分泌を促進する作用があるという仮説です。髪の成長因子には「VEGF」「IGF-1」「HGF」という3つの成長因子があります。

これらの因子はそれぞれ、血管の申請やヘアサイクルの成長期維持、毛包細胞の増殖作用、細胞の増殖や運動の促進作用があります。

AGAを発症すると、髪の成長サイクルが乱れてしまい、休止期と呼ばれる成長が止まる時期を迎える髪が増えます。本来この休止期を迎える髪というのはそこまで多くはなく、ほとんどの髪が成長期や退行期と呼ばれるこれから髪が生える、もしくは今生えているものが抜けていく時期にあります。

しかしAGAを発症するとこの成長期と退行期と休止期のバランスが崩壊し、多くの髪が退行期や休止期を迎え、髪が抜けて生えてこなくなる状態になります。

ミノキシジルはこの休止期を迎えた髪を正常に成長させる働きがありますが、その働きはミノキシジルがこれら成長因子に対して影響を与えているからではないか、と言われています。したがって、この仮説は非常に有力な仮説ではないかと言われています。

毛包細胞のアポトーシスの抑制

次の仮説は「毛包細胞のアポトーシス(自然死)の抑制」です。髪の成長サイクルには成長期、退行期、休止期という3つの物がありますが、この内成長期から退行期へと向かう際に、毛母細胞のアポトーシスが発生し始め、毛髪が抜けていきます。

そしてこの仮説というのは、ミノキシジルにはこのアポトーシスを抑制する作用があり、髪の毛包細胞が死滅し退行期へ向かうのを抑制する効果があるため、髪が成長し続け長く太く伸びるようになる、と言うものです。

こういった仮説が立てられる理由として、ミノキシジルの持つ「KATP(血管平滑筋ATP感受性Kチャネル)の開放」という働きの存在があります。

KATPがどういったもので、KATPを開放するとどうなるのか、というのを簡単に説明すると、これは血管を拡張させる働きです。

そしてこの血管を拡張させる作用によって、ケラチノサイトと呼ばれる角化細胞や神経細胞、心筋細胞、そして毛組織の細胞がアポトーシスを起こすのを抑制できると言われています。

したがって、血管が拡張し血液が流れやすくなることから、細胞が自然死するのを防ぎ、いつまでも成長できるようになるので髪が増えてAGAが治る、というのがこの毛包細胞のアポトーシスの抑制という仮説の内容になります。

毛包周囲の血流改善

最後に紹介する仮説は、今最も有名な仮説で「毛包周囲の血流改善」というものです。これはどういったものかというと、これはミノキシジルのもつKATP(血管平滑筋ATP感受性Kチャネル)を開放するという働きが関係しています。KATPが開放されると血管が拡張し、血液が流れやすくなります。

そうすると毛根の根元部分に存在する毛包細胞に対して血液が流れこむようになり、髪の成長に必要となるタンパク質などの栄養素が毛包に送られるようになります。

成長が止まっていた髪が栄養素によって成長を再開し始め、髪がどんどんと生えるようになってきてAGAが改善される、というのがこの仮説の内容になります。

ミノキシジルの使用によって血流が改善するというのはよく知られていることです。

しかしミノキシジルの効果が毛包ではなく髪の組織を培養したものに対しても作用することから、ただ単に血流が改善されたから生えるようになったというわけではない、という風に今は言われています。

しかし血流の改善自体はAGAの進行抑制や髪の成長に対して良い効果をもたらすものであることに変わりはないため、この効果も非常に有力な仮説の1つであると言われています。

毛包の成長期期間の短縮を改善

これまで紹介した3つの仮説がミノキシジルの持つ作用として現在有力なものです。

AGAを発症した場合、髪の成長サイクルが乱れ崩壊するというのは何度も紹介してきたことですが、この乱れが発生する事によって起こる現象として、成長期の短縮があります。

毛髪の成長期というのは本来数ヶ月から数年といった非常に長い期間発生するものです。

しかしAGAを発症すると、この本来であれば数ヶ月、数年の間持続する成長期が大幅に短くなり、髪が短く細い段階で退行期へ移行します。

退行期になると髪の成長が止まり始め、その後休止期と呼ばれる髪が抜け落ち始める時期を迎えます。その後、完全に髪が生えないまま3ヶ月ほど時間が経つと、再度成長期を迎える様になります。

しかしその間もAGAは進行していくため、再度成長期を迎えると更に短い成長期で退行期を迎え、休止期を迎えて抜け落ちていく、というような進行すればするほどに成長期が短くなっていくのです。

ミノキシジルを使用すると成長サイクルが正常化し、短くなっていたサイクルが元の状態に戻り初め、成長期の延長が発生するようになります。

その結果、髪がAGAを発症する前のように正常に生え初めるようになるのです。

これまでに紹介したミノキシジルの使用によってAGAが解消できる、作用メカニズムに関する仮説というのは、どれも髪の成長期を延長させる効果がある仮説です。したがって、ミノキシジルには今現在「何かしらの作用によって髪の成長サイクルのうち、成長期を延長させる働きがある」ということが判明しており、その理由となる物を実験と研究によって調査・解明しているのです。